ラファエル・ナダル選手が数々の偉業を達成する中で、愛用してきたラケットがピュアアエロ(旧アエロプロドライブ)です。
スピン性能が高いことが特徴のラケットで、ナダル選手のプレースタイルと非常にあったラケットです。
そこで今回は2005年の全仏オープン初優勝のときに使用していた初代アエロプロドライブ(2004年発売 ※以下初代)と2021年現在最新モデルのピュアアエロ2019(※2019)の比較をしていきたいと思います。
それぞれのスペック
まずそれぞれのスペックを比較していきましょう。スペックはTennis Warehouseを参考にしました。
初代アエロプロドライブのスペック
フェイスサイズ | 100平方インチ |
重さ | 平均300g |
ストリングパターン | 16×19 |
バランス | 平均320mm |
長さ | 27インチ |
フレーム厚 | 23mm~26mm |
素材 | 高弾性カーボン |
RA値 | 67 |
ピュアアエロ2019のスペック
フェイスサイズ | 100平方インチ |
重さ | 平均300g |
ストリングパターン | 16×19 |
バランス | 平均320mm |
長さ | 27インチ |
フレーム厚 | 23mm~26mm |
素材 | 高弾性カーボン |
RA値 | 71 |
後継モデルとなっているため、重さ、バランス、フェイスサイズといった基本的なスペックは同じになっています。
一方でフレームの柔らかさを表しているRA値が初代のほうが低く、2019のほうが高くなっています。つまり、初代のほうが柔らかく、2019のほうが硬いフレームとなっています。
見た目の違い
続いて見た目の違いを比較していきます。
左の黄色いラケットが2019(ナダル選手仕様)で、右の黒いラケットが初代です。
現在はピュアアエロと言えば、黄色のイメージがありますが、昔はそれほど黄色が主張されているわけではなく、ポイントカラーとして入れられている程度となっています。
グロメットを比較すると、2019のほうが空気抵抗が少なくなるように凹凸のない設計になっていることがわかります。
さらに縦方向の穴も異なっていて、2019の場合横方向に穴が広がっています。これは回転をかけるときにストリングがずれて戻る「スナップバック」を大きく起こすためになされている工夫です。
またストリングパターンは同じ16×19ですが、2019のほうがストリングの間隔が広く、粗いパターンになっています。これもストリングが動きやすく、スピンがかけやすくするためにされている工夫の一つです。
このように見た目から、スピン性能を上げるための工夫はピュアアエロ2019のほうが多くなされていることがわかります。
使用感の違い
打球感
初代のほうがRA値が高いため、フレームが硬い設計になっていますが、初代のほうがガツンとした打感に感じます。
2019のほうが、ボールとストリングが食いつき、柔らかい打球感に感じます。
これはストリングの間隔が広がっていたり、縦のストリングが動かしやすくなっていたりするためだと思います。
2019:ボールとストリングが食いつき、柔らかな打球感
反発性
初代のほうが、弾いている感覚は大きいですが、2019のほうがボールが飛びやすい印象があります。
またスイートスポットはどちらのモデルも、バボラ独自のテクノロジーであるウーファーが搭載されているため、広く感じます。2019のほうが柔らかな打球感なため、スイートスポットも少し広いかなと感じました。
2019:フレームの弾き+ストリングの戻りで飛ばす
スピン性能
どちらのラケットもフレーム形状のおかげで、スイングスピードが上げやすく、スピンをかけやすいラケットだと思います。
しかし、スピンをかけやすさを感じるのはスイングスピードを上げたときのみで、厚い当たりが必要だと思います。
特に初代はその傾向が強く、早いスイングで厚い当たりのショットを打つことができればボールをつぶしやすく、強力なスピンが打ちやすいラケットだと思います。
2019:スイングスピードをそれほど上げなくても、スピンをかけやすい
まとめ
それぞれの特徴を比較すると
・2019は初代よりも柔らかな打球感で、ストリングがたわんでボールが乗る感じが強い。厚い当たりでなくてもスピンをかけやすい
ナダル選手は初代モデルを塗り替えて使用しているといわれています。
ナダル選手のようにスイングスピードが速く、厚い当たりができる方であれば、初代のほうが好きだと感じると思います。
現在、初代モデルを購入する場合はメルカリなどの中古品を購入するしかないですが、興味を持った方、ナダル選手と同じラケットを使いたいという方は実際に打ってみることをオススメします!
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